ニキビを本気で治すには!?正しい化粧品選びと知識で徹底ケア!

額ニキビ、顎ニキビ、鼻ニキビ……色々なニキビを治したくて洗顔料や治療薬を買ってみたものの、なかなか効果を実感できなかったことはありませんか?
今回は現役薬剤師・二宮先生とニキビ化粧品の選び方からお勉強して、正しい知識でニキビ改善を目指しましょう!

・日本化粧品検定1級・コスメコンシェルジュ
・化粧品成分上級スペシャリスト/化粧品成分検定1級
・AJESTHE美肌エキスパート®
・ナチュラルビューティースタイリスト検定
メディアを中心に多くの媒体でライター・美容研究家として活動中。
化粧品成分が大好きな敏感肌。
専門性を交えた記事の執筆、敏感肌に優しいスキンケアの探索など、成分の可能性を日々追求。
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目次
ニキビの原因は?
ターンオーバーの乱れや皮脂過剰の原因として【ストレス(男性ホルモンの分泌)・乾燥・食生活の乱れ】などがあげられます。20歳前後までは思春期ニキビと呼ばれ、Tゾーン(おでこや鼻の周り)にできやすくなります。
20歳以降は大人ニキビと呼ばれ、顎や口の周りにできやすくなります。
ニキビの種類別ケア方法
ニキビは悪い状況が続くと、炎症が悪化していきます。ご自身のニキビがどの段階か確認しておきましょう。
白ニキビ(初期)→黒ニキビ(酸化)→赤ニキビ(炎症)→黄ニキビ(膿)
ニキビ化粧品の選び方
ニキビ化粧品を選ぶポイントは大きく分けて2つあります。
1.ただの化粧品ではなく医薬部外品を選ぶ
2.医薬部外品の有効成分をチェックする
ただの“一般化粧品”ではなく、【医薬部外品】である“薬用化粧品”には【有効成分】という薬用の成分が含まれています。
有効成分というのは化粧品の裏にたいてい書いてある全成分表示において、アステリスクマーク『*』が付いる成分で、なおかつ全成分表示の最初に書いてあります。
それを見れば、医薬部外品である薬用化粧品に、『何と言う薬用成分』が入っているのかが分かります。
ニキビ化粧品の基本的な有効成分
薬用成分 | はたらき、効果 | 代表的な化粧品 |
イソプロピルメチルフェノール (シメン-5-オール) | 殺菌 | オードムーゲ、ペアアクネローション |
サリチル酸 | 炎症を抑える、殺菌、角質軟化 | 美顔水、プロアクティブ(日本) |
グリチルリチン酸ジカリウム | 炎症を抑える、消炎、角質軟化 | オードムーゲ 、アルビオンスキンコンディショナー 、ペアアクネローション |
感光素201 (ピオニン) |
殺菌 | メンズ美顔水 |
イオウ | 殺菌、角質軟化作用、脱脂作用 | ロゼット洗顔パスタ ホワイトダイヤ |
ホモスルファミン | 殺菌 | 美顔水 |
ε-アミノカプロン酸 | 炎症を抑える | メンソレータム アクネスニキビ予防薬用化粧水 |
トラネキサム酸 | 炎症を抑える | 草花木果アクネ化粧水 |
ニキビ化粧品を切り替えたい時にはぜひ、今までと同じ有効成分のものを選ぶか、違うものを選ぶか、気を付けてみてください。
他にも注目されているニキビに効く化粧品成分
成分名 | 特徴 |
ティーツリーオイル | オーストラリアで伝統的に使用されている植物由来の成分 |
ビタミンC | 美白で有名なビタミンCは、抗酸化作用もあり、ニキビにも注目されている |
AHA | ピーリング成分。毛穴が角質で目詰まりしやすい場合に期待できる |
レチノール | レチノールはビタミンA。海外ではビタミンA誘導体の一種がニキビ治療薬になっている |
アゼライン酸 | 抗酸化作用があるアゼライン酸。一部の美容皮膚科で購入できる |
甘草エキス | 甘草エキスには炎症を抑えるグリチルリチン酸が含まれていることがある |
どくだみ | 日本で古来から傷やオデキに使われる植物 |
これらの成分はニキビ化粧品の有効成分ではないのですが、化粧品のパッケージや説明書に目立つように書かれている場合があります。
ニキビ用の洗顔フォームとその成分
薬用成分 | 代表的な洗顔フォーム |
イソプロピルメチルフェノール | ドクターシーラボ薬用アクネレスソープEX ダヴ ニキビケア クリーミー泡洗顔料 メンズビオレ 薬用アクネケア洗顔 |
グリチルリチン酸2K | ダヴ ニキビケア クリーミー泡洗顔料 ノブ ACアクティブ ウォッシングフォーム メンズビオレ 薬用アクネケア洗顔 |
サリチル酸 | ノブ ACアクティブ ウォッシングフォーム |
ニキビとピーリングの関係
実際に病院ではディフェリンゲルやペピオゲルという塗り薬で角質のターンオーバーを整え、毛穴が目詰まりしないようにしています。(※海外ではイソトレチノインというビタミンA誘導体の配合された塗り薬も使われます。)
何か市販のものでピーリングを代用するのであれば、ピーリングの成分であるサリチル酸や乳酸、リンゴ酸などで角質を柔らかくすることがおすすめです。しかし、高頻度に行うと肌が炎症を起こしてしまうので、商品に書かれた使用頻度を守るようにしましょう。
ピーリングの代表的な成分
・サリチル酸
・グリコール酸
・リンゴ酸
・乳酸
・酒石酸
・クエン酸
・フェノール
・トリクロロ酢酸
また、美容皮膚科においてもケミカルピーリングの施術を受けることができます。美容皮膚科で受けるピーリングの場合、浅いしわやニキビ痕に関しても緩和される場合があります。
ただし、ピーリングが合わない方ですと、ニキビが悪化してしまう可能性がありますので、気を付けてください。
ニキビとビタミンCの関係
ビタミンCには抗酸化作用があり、赤みのあるニキビに塗って炎症を抑えることができます。また、美白効果で有名なビタミンC誘導体は、ニキビ跡にも効果があります。
お薬ではビタミンCの塗り薬はありませんが、ビタミンCの含まれた化粧品や薬用化粧品ならば販売されています。
『尋常性痤瘡治療ガイドライン2017』という医療従事者が参考にする資料にも、ニキビにビタミンCを塗ることがC1の推奨度で進められています。(※対象のビタミンCは、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、L-アスコルビン酸-2-リン酸ナトリウム)
これはニキビの有効成分として有名なイオウを塗るのと同じ程度の推奨度となります。
ニキビとノンコメドジェニックな化粧品
化粧品によっては油分などの成分によりこのコメドが出来やすくなってしまうものがあるため、あらかじめ、コメドが出来にくい商品かどうかテストすることがあります。そのテストに合格した化粧品に“ノンコメドジェニック”という表現をすることができます。毛穴のつまりや白ニキビ、黒ニキビが普段から気になる方はこのノンコメドジェニックな化粧品を選ぶのもおすすめです。
しかし、このテストは義務付けられているわけではないため、ノンコメドジェニックの表記がなくてもコメドが出来にくい化粧品が混ざっている可能性もあります。
マラセチア毛包炎と、ニキビ
ニキビと違い、原因の菌がアクネ菌ではなくてマラセチア菌という真菌(カビ)なのです!
原因菌 | 対策 | |
一般的なニキビ菌 | 細菌 | 細菌に効く成分を使う |
細菌以外の可能性 | 真菌(カビ菌) | 真菌に効く成分を使う |
ニキビとよく似た症状のマラセチア毛包炎を、ニキビ治療で対応している場合があります。しかし、マラセチア毛包炎は真菌というカビ菌が原因なので、カビ菌に効く成分を使わないとよくなりません。
市販のもので対応するのであれば“ミコゾナール”という真菌に効果的な成分が入った『コラージュフルフル液体石鹸、泡石鹸』といった薬用せっけんを使うことをおすすめします。
また、病院を受診すれば抗真菌薬の塗り薬などを処方されることもあります。
背中ニキビやデコルテのニキビは、顔にできるニキビと一緒?
二宮先生から解説があったように、胸や背中にできるニキビはお顔にできるニキビと同じ原因菌の場合もありますが、先ほどお話しした毛包炎である可能性があります。
毛包炎は一般細菌が原因の場合もありますが、真菌というカビ菌が原因になることもありますので、場合によっては抗真菌薬が必要になります。
なかなか治らないニキビは毛包炎である可能性もあり、使用する薬も異なります。
“ミコゾナール”や“ケトコナゾール”などの抗真菌成分が有効なこともあります。
ニキビに関するQ&A
ニキビ化粧品は男女で使い分けた方がいいか?
ニキビ対策で、飲むべき薬・サプリの成分にはどんなものがありますか?
ニキビができたら皮膚科に行ったほうが良い?
漢方薬に関しては体質によって飲むべきものが異なるので医師や薬剤師さんに相談したうえでお飲み下さい。
便秘の時もニキビができやすいんですか?
ニキビは洗顔・化粧水・飲み薬、どれが一番効果的ですか?
抗炎症作用のあるものや軽めのピーリング作用のあるもの(洗顔)、殺菌作用のあるもの(化粧水)、塗り薬で角質を柔らかくし化膿を抑え(薬)、抗生物質やビタミン(飲み薬)でケアする、といった具合に。 美容皮膚科であれば、さらに低用量ピルや抗アンドロゲン薬、ケミカルピーリング等も加えることができます。
まとめ
今回は二宮先生にニキビ化粧品の正しい選び方から、ニキビを治すための様々な知識を教えていただきました。ニキビやニキビ跡にお悩みの方はぜひ、化粧水や洗顔料選びの参考にしていただければ幸いです!