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ビタミンP

別名 モノグルコシルヘスペリジン、ヘスペリジン、バイオフラボノイド
配合目的 エモリエント剤、ビタミン類

ビタミンPとは

ミカンなどのかんきつ類において、皮と果肉の間にある、白くふわふわした中果皮に多く含まれる成分です。

日本でも古来より『陳皮(ちんぴ)』という漢方薬の成分として使用されてきました。
かんきつ類のような味、においなどもなく、無味無臭の成分です。

厳密にはビタミンではなくビタミン様物質に分類されます。
日本では栄養強化の目的で食品に添加することができます。

ビタミンPの効果・働き

近年コレステロールや中性脂肪、血流、血管、骨代謝回転、抗酸化作用との関係が研究されています。

研究段階ですが抗酸化作用を持つことからがん治療や炎症性疾患に、骨のカルシウム濃度が上昇して破骨が抑えられたことから骨粗鬆症などの病気に対し、薬の種となる可能性を秘めています。

ビタミンPを含む製品

サプリメントやリップクリームに配合されている成分です。

ビタミンP自体に中性脂肪や血流改善などが研究で明らかになっていますが、近年ではさらに身体への吸収率を考慮した、溶けの良い『α‐グルコシルヘスペリジン』という成分が開発され、機能性表示食品としてさまざまな商品が販売されています。

たとえば養命酒製造株式会社『手足ぽかぽかゆず生姜』やファンケル『健脂サポート』などです。
中性脂肪を下げる働きから脂質代謝が気になる方に、また末梢血管の循環を維持する働きから末端冷え性などの方向けに販売されています。

また末梢血管の循環が良くなるため、唇のくすみ、血色不良がある方はこの成分が含有されているリップクリームを使用してみるのも一つの手です。

たとえば資生堂のベネフィアンス『フルコレクション リップトリートメント』、ベネフィーク『リップトリートメント』などに配合されています。

ビタミンPの豆知識

欧州においては正常な血流を維持する働きがあることから、馬の血管系の病気に、体重1kgあたり0.5~1.0mgの量で経口投与されます。
また、私たち健常人が健康維持の目的に用いることができるともされています。

以上から、私たちがサプリメントとして摂取しても安全性が高いと考えられます。

参照
・宇山侊男ほか.『化粧品成分ガイド 第6版
・鈴木一成ほか.『化粧品成分用語事典2012
・小澤王春.『自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典
・European Commission.Simple Search
・宮地良樹ほか.『美容皮膚科学
・朝田康夫. 『美容の医学 美容皮膚科学辞典
・資生堂.唇のくすみをなくし、高純度に発色する「スキンケア口紅」の開発に成功
・The European Agency for the Evalution of Medicinal Products.Committee for veterinary medical products hesperidin and hesperidin methyl chalcone summary report
・Hiroshige Chibaほか.Hesperidin, a Citrus Flavonoid, Inhibits Bone Loss and Decreases Serum and Hepatic Lipids in Ovariectomized Mice

 

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