twitter Instagram
HOME美容成分一覧テストステロン

テストステロン

配合目的 その他

テストステロンとは

テストステロンは1935年、豚の睾丸から初めて発見されました。男性ホルモンの代表格がテストステロンですが、その他に天然にはDHEA、ジヒドロテストステロンなどがあります。基本的に『男性らしさ』を形成する男性ホルモンは、テストステロンを中心に考えれば大丈夫です。

男性はテストステロンの9割以上を精巣のライディッヒ細胞という部分から産生しますが、わずかに副腎皮質という腰に近い部分からも生産されています。女性の卵巣からも少量分泌されています。ちなみにテストステロンの原料は、悪者になりがちな『コレステロール』です。他の種類のステロイドホルモンも、コレステロールからできています。

テストステロンの効果と働き

テストステロンは男性の二次性徴には欠かせず、前立腺の成長や成熟、精液や陰嚢、声帯、喉仏の肥大、体毛の発育、背を伸ばす、骨を発育させることなどに大きく関与しています。
他には血圧を上げたり血液を作らせたり、また、衝動性、性欲、体臭、ニキビとも関与しています。

医薬品としてのテストステロン

テストステロンは正規に、医薬品としても使用されています。
男子性腺機能不全、造精機能障害による男子不妊治症、再生不良性貧血、骨髄線維症、腎性貧血、男性の更年期障害(LOH症候群)等に使用されます。

筋肉注射が一般的ですが、実は病院などの医療機関だけでなくドラッグストアで購入できる市販のお薬もあります。簡単に飲める内服の液剤や、陰部付近に直接塗る塗布薬などです。精力減退や陰萎、女性の恥部無毛症などにも使用できます。ただしテストステロンの成分は少量に抑えられていますので、何か手軽に始めたい方向きです。

ちなみに日本にはありませんが、アメリカのFDAは鼻腔粘膜に使用できるテストステロンのお薬、Natesto®を2014年に承認しています。また鼻腔以外の経皮吸収タイプ、バッカルシステム利用の製品があり、日本と比べ投与経路に幅があります。

テストステロンとLOH症候群

近年、男性の更年期障害、LOH症候群が注目されるようになりました。男性ホルモン量の減少が原因の一つで、今まで『うつ病』と診断されていたような方も、年齢と共に男性機能と共に悪化するようならばLOH症候群である可能性があり、ホルモン補充療法の対象となる可能性があります。
一般的な内科では診察が難しく、専門の病院にて検査を行います。血中のテストステロン量を測定したり、問診(男性機能に関したものに限らず、鬱症状など日常生活におけることなど)を行うことで診断し、必要に応じてテストステロンの筋肉注射によるホルモン補充療法がなされています。保険が使える病院と使えない病院があるのでご注意下さい。

また、使用に際しては心臓、脳などの血管系イベントの起こりやすさも増加しますのでご注意ください。

テストステロンの乱用

また、『タンパク質同化作用』という筋肉を増強させる働き、造血機能があることから、ボディビルダーやフットボール選手などのスポーツ選手にしばしば乱用される薬物でもあります。
使用を止めると筋肉も落ちてしまいますので継続して使用する必要があり、依存せずにはいられない状態になってしまいます。

このようなテストステロン乱用者は情緒が不安定になる、やたら怒りっぽくなる、衝動性が出るなどの副作用が生じますが、本人は得てして気づかないことが多く、周りの家族や友人が異変に気づくことが多いと言われています。

参照
・宇山侊男ほか.『化粧品成分ガイド 第6版
・鈴木一成ほか.『化粧品成分用語事典2012
・小澤王春.『自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典
・European Commission.Simple Search
・U.S.FOOD&DRUG ADMINISTRATION. Natesto ®
・U.S.FOOD&DRUG ADMINISTRATION. Testosterone Information
・日本泌尿器科学会/日本 Menʼs Health 医学会.LOH症候群診療の手引き
・あすか製薬株式会社.エナルモンデポー筋注125mg/ エナルモンデポー筋注250mg

最終更新日:

Categories

カテゴリー
ページ上部へ戻る