皮膚科医に聞く日焼け後のスキンケア!すぐの美白パックはNGって本当?
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別名 | ハイドロキノン-β-D-グルコピラノシド、4-ヒドロキシフェニル-β-Dグルコピラノシド |
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配合目的 | 酸化防止剤、皮膚コンディショニング剤、美白剤 |
対応するお悩み | 美白 |
資生堂の医薬部外品の薬用化粧品『ホワイテス』に含まれる美白有効成分として有名です。
2003年に特許が切れてからは多くの化粧品に含有されています。
20年以上の歴史を持つ比較的安全な成分で、美白成分の代表格である『ハイドロキノン』と似た構造を持つことも特徴的です。
ハイドロキノンのような強い毒性・刺激もなく、また管理も難しくないため、ドラッグストアやデパートの化粧品売り場で購入することができます。
アルブチンがシミに効くメカニズムは三通りあります。
シミを作る工場である『メラノサイト』で活発に働いている酵素、『チロシナーゼ』の働きを邪魔し、シミが成長できないようにします(拮抗阻害)。
アルブチンがあればあるほど(ある一定まで)チロシナーゼの邪魔をできる、という点から、濃度依存的に、アルブチンが濃ければ濃いほど美白に効果的と考えられます。
シミの工場『メラノサイト』で働くチロシナーゼとは別の酵素、TRP-1というシミを作る酵素を邪魔する働きがあります。
シミの工場『メラノサイト』が、樹状突起というシミを周りの細胞に出荷するのに必要な『手』が伸びるのを抑えてくれる働きがあります。
ハイドロキノンとは働き方が異なり、ハイドロキノンの様な皮膚刺激や強い細胞毒性はないと考えられています。
それはハイドロキノンという化学的な構造にくっ付いた『グルコース』という糖質がその毒性を緩和している、と考えられています。
そして、美白のメカニズムもハイドロキノンとは異なっており、アルブチンが肌の上でハイドロキノンに変化することなく美白に働いていると考えられています。
アルブチンには実は2種類存在し、化学的な構造的において、ハイドロキノンにくっついている糖の向きで『α-アルブチン』、『β-アルブチン』に分けることができます。
天然には基本的にβの形で存在しますので、ただ単にアルブチンという場合はβ₋アルブチンを指すことが多いです。
β₋アルブチンと比較するとα₋アルブチンの方が10倍以上近く美白に対する効果が高いという研究結果から、大手化粧品メーカーはα₋アルブチンを選択的に使用していることが多いです。
参照
・宇山侊男ほか.『化粧品成分ガイド 第6版』
・鈴木一成ほか.『化粧品成分用語事典2012』
・小澤王春.『自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典』
・European Commission.Simple Search
・光井武夫.『新化粧品学 第2版』
・江崎グリコ.α-アルブチン
・国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所.コケモモ
・Sugimoto, Kazuhisa.α-アルブチンの開発:工業スケールでの製造および美白化粧品原料への応用
・European Commission.Opinion on β-arbutin