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コウジ酸

別名 5-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-4-ピロン
配合目的 酸化防止剤
対応するお悩み 美白、日焼け

コウジ酸とは

お酒や、納豆などの発酵食品の風味に関係していると言われている、麹に含まれているコウジ酸は、マイルドな美白有効成分としても医薬部外品に含有されています。
コウジ酸は別名5-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-4-ピロンなどと言います。コーセーが中心となって研究を深めています。

コウジ酸は日本において1988年4月に医薬部外品として承認されました。日やけによるしみ・そばかすを防ぐなどの目的で化粧水や乳液、美容液に配合されています。含有されている製品は多くはなく、ざっと30品ほどで、コーセー、ロート製薬、コスメデコルテ、アルビオンなどが商品を出しています。

コウジ酸は私たちの生活において、とても身近な真菌(カビ)が作り出している物質です。具体的には真菌のアスペルギルス属、アセトバクター属、ペニシリウム属などが産生します。

コウジ酸の効果と働き

美白に関する作用機序は3つ考えられています。

チロシナーゼ阻害

一つはチロシナーゼ阻害です。アルブチンやルシノール®と同じく、シミを作る途中段階で働く酵素『チロシナーゼ』の阻害なのですが、阻害の方法が異なっています。チロシナーゼという酵素は活性部位に銅イオンを持っているのですが、コウジ酸はこの銅イオンを挟み込み、働かないようにさせる『キレート作用』をもっており、この働きでチロシナーゼを阻害します。エラグ酸の美白効果も同じと考えられています。

TRP2の阻害

二つ目はTRP2(ドーパクロム・トートメラーゼ)の阻害です。TRP2という物質も、シミを作る途中段階で働く酵素ですが、やはりチロシナーゼのように活性部位に銅イオンを持っており、これでキレートを形成し働かせないようにします。

『重合』の阻害

三つめはメラニンの生合成段階の前駆体、DHI(5,6-ジヒドロキシインドール)に作用することで、メラニンが集まって固まる『重合』を阻害します。この様な作用機序を持つ美白成分は特殊で、他の作用機序を持つ美白成分と併用することで相乗効果が期待できます。

 

一時期、発がん性について叫ばれた時期もありますが、現在、おおむね否定されています。

参照
・宇山侊男ほか.『化粧品成分ガイド 第6版
・鈴木一成ほか.『化粧品成分用語事典2012
・小澤王春.『自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典
・European Commission.Simple Search
・光井武夫.『新化粧品学 第2版
・朝田康夫. 『美容の医学 美容皮膚科学辞典
・宮地良樹ほか.『美容皮膚科学
・高久史麿ほか.『治療薬マニュアル
・厚生労働省.コウジ酸を含有する医薬部外品に関して
・三嶋豊ほか,コウジ酸のメラニン生成抑制作用と各種色素沈着症に対する治療効果
医薬食品局審査管理課.審議報告
・Christina L. Burnettほか.Final Report of the Safety Assessment of Kojic Acid as Used in Cosmetics

最終更新日:

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