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アルジルリン®️

別名 アセチルヘキサペプチド-3、アセチルヘキサぺプチド-8
配合目的 皮膚コンディショニング剤、保湿剤
対応するお悩み シワ・たるみ

アルジルリン®️とは

この成分は、スペインで開発されたシワの改善に用いられる成分です。
現在はこのアルジルリンの改良品、SNAP-8という製品が出ています。

日本で用いられているシワ有効成分『トレチノイン』とは違う効き方でシワにアプローチします。ただし、アルジルリンは海外の抗シワ化粧品です。(日本では保湿の目的で配合されています。)

アルジルリン®︎の効果と働き

アルジルリンの詳しい効き方は、表情筋を動かす神経の末端に秘密があります。

本来、表情筋を動かす時は『アセチルコリン』という信号が出され、その後、表情筋が縮むのですが、アルジルリンはそのアセチルコリンが出にくくなるように設計されています。

詳細メカニズムと試験

このアセチルコリンの放出にはシナプトブレビン、スナップ-25、シンタキシンという三つのたんぱく質からなるSNAREタンパク質という複合体が正しく組み合わされなければなりませんが、アルジルリンはスナップ-25というたんぱく質の邪魔(競合阻害)をして、SNAREタンパク質が正しく機能しないようにします。
アルジルリンのほかにもLipotec社から販売されているSNAP-8という化粧品成分も同じように働きます。

ヒトでの試験では、39歳から63歳の14人に1日2回、28日間塗布したところ、平均でしわが11.64%改善され、最大31.8%改善された人もいました。
アルジルリンの推奨濃度は3から10%とされており、また、アルジルリン単剤よりも、Leuphasylも混ざったArgilerloxの方が少し成績が良く、同じような使用方法で平均24.62%の改善、最大で46.53%の改善があったとされています。また皮膚刺激も見られず安全とされています。さらに、メインのしわのみならず肌の保水力も増加しています。

アルジルリンは日本では保湿成分扱いなので、今後の展開に期待されます。

アルジルリン®️の研究開発について

このアルジルリンはスペインはバルセロナにあるLipotec社というバイオテクノロジーを用いた機能性化粧品を専門に研究、販売しており、1987年から創業しています。(ただし2012年にLipotecに買収されました。)

このアルジルリン以外にもシワに有効な化粧品成分を開発しています。

Lipotec社の代表的な抗シワ化粧品

・Argireline
・Argirelox ; Argireline(抗しわ作用)+Leuphasyl(抗しわ作用)
・SNAP-8 ;Argirelineの改良成分

シワ改善化粧品のタイプ

シワを改善する化粧品(海外製品含む)には、いくつかのタイプがあります。

①ヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンを作っている『線維芽細胞』を元気にさせたり増殖させたりする(線維芽細胞増殖因子含む)もの
②コラーゲンなどの繊維を壊してしまう酵素の邪魔をするもの
③表情筋が過剰に収縮するのを抑えるもの

たとえば①には、日本で良く用いられているトレチノインやビタミンCにはコラーゲン合成促進の働きがあります。
②にあたるものには、大豆ペプチドや米ペプチドなどの天然のものがあります。
③にあたるものは、良く注射で用いられているボトックスがあります。そしてボトックスと似た作用でこのアルジルリンが働きます。

ボトックスは注射ですので病院へ行き、眉間や目尻、口元に注射をする必要がありますが、アルジルリンは化粧品ですので、家で手軽にできることが特徴です。

現在はアルジルリンにさらに抗シワ作用のある有効成分Leuphasylを混ぜた『Argirelox』や、アルジルリンをより改良した『SNAP-8』もLipotec社から販売されています。

参照
・宇山侊男ほか.『化粧品成分ガイド 第6版
・鈴木一成ほか.『化粧品成分用語事典2012
・小澤王春.『自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典
・European Commission.Simple Search
・宮地良樹ほか.『美容皮膚科学
・朝田康夫. 『美容の医学 美容皮膚科学辞典
Lipotec
・Lipotec.ARGIRELINE®
・Lipotec™.SNAP8
・Ruiz M.Aほか.Evaluation of the anti-wrinkle efficacy of cosmetic formulations with ananti-aging peptide (Argireline®)

最終更新日:

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