ハリ・引き締めで話題の成分DMAEって?皮膚科医が作るリフトアップセラム
- DMAE
- 乾燥
- シワ・たるみ
配合目的 | その他 |
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対応するお悩み | 乾燥、シワ・たるみ、ハリ・弾力 |
ゴールデンLPとは、2015年から発売されているポーラのアンチエイジング化粧品B.Aシリーズに含まれる成分で、特殊なカイコの繭から独自の製法で抽出した成分です。肌をふっくらさせる働きがあり、年齢肌が気になる方にお勧めされる成分です。
ゴールデンLPには、肌の張りを保ったり、傷の再生や、血管・関節などの成長に必要な足場の役割となる『バーシカン』が増加する働きがあります。この足場を使って、張りを保つエラスチンやコラーゲンがが作られます。いわば、コラーゲンやエラスチンの種の様なものです。
赤ちゃんにはこの足場であるバーシカンはとても豊富にあり、大人ではこの量が減少しています。傷の治りが赤ちゃんではとても速いのは、このバーシカンでも説明できますね。
大人でも傷を治す時にバーシカンが増えますが一時的なもので、傷が治ると役目を果たしたバーシカンが減っていきます。
このバーシカンを足場に肌を潤しハリを持たせるエラスチンやコラーゲンが作られてますので、お肌の潤いが低下した方や、しわが気になり始めた方などにこのゴールデンLPは期待ができます。また、お肌以外にも、再生医療の分野でバーシカンは注目されています。
ところでゴールデンLPは、カイコの作る繭(まゆ)を加水分解という方法を用いて取り出した成分です。ゴールデンLPに含まれている成分の正体は、推測ではありますが『セリシン』なのでは?と思われます。
セリシンには保湿、抗酸化、線維芽細胞増殖作用(肌に張りを持たせる)、チロシナーゼ阻害作用(美白作用)、アパタイト形成能などが報告されています。セリシンとは、カイコが繭を作る時の接着剤として働いています。
カイコの繭は主に約75%が繊維(フィブロイン)でてきていますが、残りの25%はセリシンと言う接着剤からできており、そして線維同士がくっつき、固い繭玉ができあがります。
この繭玉を熱湯などで処理すると、セリシンと線維を分けることができます。
今まではこのセリシンは、繊維を取り出すうえで不必要なものと考えられ廃棄されていましたが、近年の研究で保湿性や細胞増殖作用が化粧品に応用できると分かり注目されています。
最近では、繊維質がすくなく、セリシンを多く作るカイコの品種改良もされています。セリシンは水に溶けやすく化粧品にも混ざりやすい性質を持っています。
特にセリシンで注目されているのが『線維芽細胞が増殖される』という点です。
線維芽細胞はバーシカンやヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンなど、肌をふっくら、しっとりさせるために重要な細胞です。古来からカイコの繭を美容に用いていましたが、このセリシンがその答えの一つだと考えられます。現在、低濃度のセリシンが効率的にコラーゲンを作ることができると注目されており、多くの化粧品に含有されています。
参照
・宇山侊男ほか.『化粧品成分ガイド 第6版』
・鈴木一成ほか.『化粧品成分用語事典2012』
・小澤王春.『自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典』
・European Commission.Simple Search
・宮地良樹ほか.『美容皮膚科学』
・朝田康夫. 『美容の医学 美容皮膚科学辞典』
・POLA.肌新生の鍵を握る糖たんぱく質「バーシカン」を産むエキス開発に成功