冬の酷い乾燥に特別なケアを!薬剤師監修おすすめ美容液10選♡
- スクワラン
- セラミド
- 乾燥
配合目的 | エモリエント剤、ヘアコンディショニング剤、界面活性剤、洗浄剤、帯電防止剤、皮膚コンディショニング剤、油剤 |
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対応するお悩み | 美白、乾燥、ざらつき |
食用油として古くから有名な成分ですが、近年、美白有効成分として医薬部外品の化粧品に使用されています。
他のハイドロキノンやアスコルビン酸などの美白有効成分とは異なり、独自の作用メカニズムを持つのが特徴的です。
他のメカニズムを持つ美白成分との併用で相乗効果も期待できます。
シミを作る途中段階で働く酵素、『チロシナーゼ』が分解されるのを促進し、シミの合成を妨げます。
『チロシナーゼ』の邪魔をする美白成分は他にもエラグ酸やコウジ酸などがありますが、チロシナーゼそのものを分解促進してしまう成分は、現在のところリノール酸だけです。
ハイドロキノンやトレチノインは皮膚刺激を伴うので継続を断念される方もいますが、リノール酸は特に刺激もなく使用でき、かつ、皮膚科などではなくドラッグストアや百貨店などで購入することができるのもメリットです。
サンスター『エクイタンス ホワイトロジー エッセンス』という商品などに配合されています。
リノレックSと表記されていることもあります。
サンスターはリノール酸をリポソーム化し、肌への浸透性や蓄積性を高める研究をしています。
リノール酸は不飽和脂肪酸という脂っぽい成分で、皮膚の持つバリアー機能によりリノール酸単独ではなかなか浸透せず、たくさん使えば皮膚トラブルを引き起こす可能性がありました。
そこでリポソーム化という技術で浸透性を高めているのです。
サンスターの研究では、リノール酸0.1%含有のゲルを1日2回、6か月塗布したところ、肝斑ではやや有効以上の反応性を示した方が88.9%と高い結果を示しているのも興味深いです。
リノール酸と聞くと、健康油などの食品用の成分を想像される方も多いかと思います。
そもそもリノール酸はω‐6系の必須脂肪酸で、私たちは体内で合成できず食品から摂取する必要がある油です。
大豆油、コーン油、サフラワー油(ベニバナ油)などに豊富に含まれており、皆さんも意識せずとも口にしているはずです。
現在のところリノール酸の内服と美白はまだはっきりと分かりません。
また、リノール酸の摂りすぎは喘息などのアレルギー症状の悪化にもつながると言われていますので、美白を目的とするなら外側から補う化粧品を使用するのが良いでしょう。
参照
・宇山侊男ほか.『化粧品成分ガイド 第6版』
・鈴木一成ほか.『化粧品成分用語事典2012』
・小澤王春.『自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典』
・European Commission.Simple Search
・宮地良樹ほか.『美容皮膚科学』
・朝田康夫. 『美容の医学 美容皮膚科学辞典』
・株式会社メディカルレビュー社.『Bella Pelle vol.2 No.1』
・光井武夫.『新化粧品学 第2版』
・今中宏真ほか.皮膚美白剤としてのリボゾーム化リノール酸の有用性
・シャネル株式会社.クリームTXに関する資料
・厚生労働省.脂質
・サンスター.美白有効成分をより効率的に肌の内部へ届ける 日本初「リノール酸S内包プラスチャージナノカプセル」開発