【薬剤師監修】荒れがちな唇に!医薬品・薬用限定おすすめリップクリーム10選
- アラントイン
- メントール
- パンテノール
- ワセリン
- グリチルリチン酸
- ビタミンE
- ビタミンB6
- 乾燥
- ゆらぎ肌
別名 | ピロリドンカルボン酸、DL-ピロリドンカルボン酸 |
---|---|
配合目的 | 保湿剤 |
対応するお悩み | 乾燥 |
『PCA』とは、私たちのお肌にもともとある天然の保湿成分、『ピロリドンカルボン酸』のことです。天然保湿因子(NMF)の一つで、お肌を潤す効果があります。
天然保湿因子は、肌の角質層のうるおい保持に必要な成分で、PCAの他にアミノ酸や尿素などがあります。
PCAは健常者ですと天然保湿因子の12%を占めておりアミノ酸の次に多い成分です。
現在PCAの不足と敏感肌・アトピー・乾癬といった肌の乾燥や、バリア機能の低下に伴う肌トラブルとの関連性が研究されています。PCAはフィラグリンと言うたんぱく質がうまく作れない人でPCAの量が減っている、という報告もあり、今後はPCAを化粧品などで補うだけでなく、フィラグリンに焦点を当てた商品に期待が持てます。
PCAはアミノ酸であるグルタミン酸を原料に作られ、化粧水やクリーム、シャンプーや石鹸に配合されている成分で、近年ひろく一般的に使われています。
一般的にはPCAにナトリウム(Na)が付いたPCA-Naが使われていますが、PCAに亜鉛(Zn)が付いたもの(亜鉛塩)も開発されています。
亜鉛は、滋養強壮のサプリメントで有名なのですが、お肌の健康維持にも必要な成分で、飲むことでも、また、塗ることでも効果を表します。
古くから亜鉛の入った軟膏を汗疹(あせも)やアトピー性皮膚炎、肌荒れ、かぶれといった、やや荒れていて赤みのある肌によく使います。
PCAの亜鉛塩の使用を続けると、過剰な皮脂が抑えられるという報告もあり、乾燥肌で脂性肌の混合タイプの方には良い成分と考えられます。
ところで、PCAはD体とL体という、鏡文字の様な、似ているようで異なる関係にある二種類が存在します。
(アミノ酸はこの様な鏡文字の様な二種類が存在して、働きが異なったり味が異なったりします。)
PCAのD体、L体のどちらでも保湿作用があるのですが、面白いことにL体の方にのみ、血管を拡張させて血流を良くする一酸化窒素(NO)という天然成分が作られやすくなる、という働きがあることが報告されています。
D体にはこのような働きがないとのことです。
これらの結果から、今後、赤ら顔や血色の悪い肌とD体、L体のPCAとの更なる関連性の研究報告が期待されます。