サイトプリン

サイトプリンとは

サイトプリンは別名、６-ベンジルアミノプリン、略称ではCTPとされる育毛剤の有効成分です。しばしば同じ育毛成分の『ペンタデカン（ペンタデカン酸グリセリル）』と一緒に使用されます。男女問わず、脱毛症に使用できる塗る成分です。

日本皮膚科学会による男性型およびによる女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版では、サイトプリンは『推奨度C1（行ってもよい）』に分類されています。

推奨度がＣ１の成分には他に『t-フラバノン』、『ペンタデカン』、『塩化カルプロニウム』、『ケトコナゾール』などがあります。（ちなみにミノキシジルの推奨度はA（行うように強く勧める）と分類されています。）

サイトプリンの効果と働き

サイトプリンの効くメカニズムは、主に発毛を促進する信号を増加させることにあります。

毛根にある毛乳頭細胞では発毛を促進する信号がいくつかありますが、このサイトプリンは発毛促進因子のうち『BMP』と『エフリン』を増加させることがわかりました。BMPは特に女性ホルモンの減少で減少してしまうため、女性型脱毛の方は注目すべき成分です。エフリンは毛根の数を増やすことがわかっています。

余談ではありますが、サイトプリンは、もともとは植物の細胞分裂を活発にする働きの方が先に分かっており、植物の成長を促進したり花を咲かせたりする農薬の一種として使用されていました。

参照
・宇山侊男ほか.『化粧品成分ガイド 第6版』
・鈴木一成ほか.『化粧品成分用語事典2012』
・小澤王春.『自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典』
・European Commission.Simple Search
・三省製薬デルメッド.研究開発レポート
・日本皮膚科学会ガイドライン.男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版
・ライオン株式会社.6-ベンジルアミノプリン配合で発毛促進と脱毛予防に効く 『Fleuria※(フルリア)薬用育毛エッセンス』 (医薬部外品・通信販売限定) 「大容量品」と「ノンメントール」の2品を追加新発売
・ライオン株式会社.世界初！男性型脱毛症の遺伝子発現に成功