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塩化レボカルニチン

配合目的 皮膚コンディショニング剤、保湿剤
対応するお悩み 乾燥

塩化レボカルニチンとは

塩化レボカルニチンは角質の乱れなどから来る『肌荒れ』が気になる方に使用して欲しい、医薬部外品の有効成分です。カネボウによって2005年に医薬部外品の承認を受け、現在40近くの商品にこの塩化レボカルニチンが含まれています。

この塩化レボカルニチンは、私たちの体において作られる物質、レボカルニチン(L-カルニチン)の誘導体です。また肉などの食事からも摂取できる成分です。現在この成分は化粧品にとどまらず、アンチエイジング業界、医療業界、アスリートなどの多くの分野から注目されている成分です。

塩化レボカルニチンの効果と働き

塩化レボカルニチンの肌への効果は具体的に、肌のミトコンドリアにおけるβ酸化を改善する、表皮のバリア機能を強める、角質細胞の間にある脂質を増やす、表皮を適切な厚さにする事です。
それにより『肌あれ、あれ性を改善する、日やけ・雪やけ後のほてりを改善する、肌を整える、皮膚をすこやかに保つ、皮膚にうるおいを与える、皮膚を保護する、皮膚の乾燥を防ぐ』ことが可能になります。

そもそも肌の美しさは大きさの整った、きめ細やかな角質が敷き詰められている状態です。ですが、日焼けや老化など、さまざまな原因で角質の大きさにばらつきが生じたり、または異常な剥離が起きたりして肌は滑らかさを失います。
そこで、塩化カルニチンは、肌表面にある『角質細胞』の中ではたらく『ミトコンドリア』に働きかけます。
ミトコンドリアは全身のどの細胞にも備わっているエネルギー、すなわち私たちのパワーを作り出してくれる場所です。このミトコンドリアの働きが衰えることと老化には深い関係があります。

塩化カルニチンはこのミトコンドリアの働きが若い時のようにスムーズに行くようにしてくれます。
私たちは本来カルニチンを持っているのですが、年齢と共にこのカルニチンが減少して、ミトコンドリアで行われているエネルギーを作り出す働きである『β酸化』が落ちてきてしまいます。
そこで、外部から塩化カルニチンを補うのです。ミトコンドリアが生き生きと働き肌表面でエネルギーを作り、そして老廃物の排泄も手伝ってくれます。カネボウの研究では、この塩化レボカルニチンの塗布は濃度依存的にこのβ酸化能を上げるとあります。

よって塩化レボカルニチンを肌に塗布することで、減ってしまったカルニチンを補い、肌が若い時のように生き生きとし、肌荒れのみならず肌のアンチエイジングに期待が持てるのではないか?と期待されているのです。

塩化レボカルニチンの豆知識

ところでこの成分は健康食品や医療用医薬品にもなっており、塗るよりも飲んだり注射する方が有名かもしれません。ミトコンドリアを元気にさせることは、肌のみならず心臓や筋肉など様々な臓器にとって良いことです。現在も研究が進めらています。

また皮脂欠乏症・乾皮症と言った、皮膚が乾燥する病気においても有効性が示されています。よくある肌に保湿をのせるタイプではなく、お肌の細胞レベルで乾燥対策ができると考えれられます。

ただし、若くて代謝も良い方には必要のない成分かもしれません。年齢と共に肌荒れや乾燥が気になるようになって来られた方にはぜひ注目して頂きたい細胞賦活系の成分です。

参照
・宇山侊男ほか.『化粧品成分ガイド 第6版
・鈴木一成ほか.『化粧品成分用語事典2012
・小澤王春.『自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典
・European Commission.Simple Search
・宮地良樹ほか.『美容皮膚科学
・朝田康夫. 『美容の医学 美容皮膚科学辞典
・株式会社カネボウ化粧品.カネボウ トリートメントCに関する資料
・大塚製薬株式会社.医薬品インタビューフォーム エルカルチン®︎
・Alim-Un-Nisaほか.Development of Meat-based Functional Foods: A Review

最終更新日:

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