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幹細胞

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幹細胞とは

木が一本の太い幹からたくさんの枝葉に分かれるように、私たちの体は『幹細胞』という一つの幹から骨や血ができたり、肝臓や心臓ができたり、皮膚や神経ができたりします。

幹細胞は受精卵が分割した胚や、胎盤、へその緒などに多く含まれており、将来の病気に備えて出生時に臍帯血を凍結保管しておく民間のバンクも多くあります。

幹細胞の効果・働き

美容外科の領域では、幹細胞の技術を『エイジングケア』の分野に応用しています。

・更年期障害の治療
・鼻唇・眉間・唇周囲・眼瞼・頬のしわ、たるみ治療
・にきび跡の治療
・瘢痕の治療
・毛髪再生
・アトピー性皮膚炎の治療
・豊胸

上記のような状態の肌、頭皮、乳房に幹細胞を注入することで、その部分を若返らせたり、成長や代謝を促したりするというものです。

このとき必要になる幹細胞は、自分自身の『脂肪』から取り出します。
いわゆる自家移植です。

お尻やお腹の脂肪を吸引し、遠心分離や酵素処理などで必要な幹細胞だけを分離し、必要な数だけ数週間かけて増やして注入します。

この幹細胞が老化して代謝の落ちてしまった私たちの細胞と置き換わり、若いときの状態へと導いてくれます。

今まではコラーゲンが足りてなければコラーゲン注射をして補う、乾燥肌ならば外から保湿する、などといった外部からの『補給』がメインでした。

しかしこの幹細胞を皮膚に注入することで若いときのようにコラーゲンやヒアルロン酸を『自分自身の細胞が作り出す』ことが可能と考えられています。

幹細胞の豆知識

今までは移植しかなかった心臓病や肝臓病などの治療に、自分自身の幹細胞を使って新しい心臓や肝臓を作ったり、火傷をしてしまった皮膚を自分の幹細胞から分化誘導して皮膚を作って移植したりすることもできます。

現在日本で、自己脂肪由来間葉系幹細胞や自己滑膜細胞由来間葉系幹細胞などを用いた慢性疼痛の緩和、変形性膝関節症・脳梗塞・脊髄損傷の治療、動脈硬化症の進展予防などがすでに届出され、治療可能となっています。

様々な医療機関が幹細胞を用いた治療に取り組んでいますが、厚生労働省に届出をした施設の中から始めるのが安心です。

このような幹細胞を用いた再生医療はまだ効果や副作用が未知な部分も多く、また副作用は個人によって大差が出ることが考えられています。
過去には死亡事故も起きていますので施設選びは慎重に行う必要があります。

治療を受けるに当たっては、担当の医師から書面で事前説明が行われるのが一般的です。
その際、契約の解約方法も確認した上で治療を開始することが重要です。

参照
・宇山侊男ほか.『化粧品成分ガイド 第6版
・鈴木一成ほか.『化粧品成分用語事典2012
・小澤王春.『自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典
・European Commission.Simple Search
・朝田康夫. 『美容の医学 美容皮膚科学辞典
・宮地良樹ほか.『美容皮膚科学
・各種申請書作成支援サイト.届出された再生医療等提供計画の一覧
・大河内仁志.「皮膚に存在する幹細胞、特に脂肪組織由来幹細胞

最終更新日:

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