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エラグ酸

配合目的 酸化防止剤、皮膚コンディショニング剤
対応するお悩み 美白、日焼け

エラグ酸とは

エラグ酸は、ライオン株式会社が積極的に研究している美白有効成分です。

医薬部外品の美白有効成分として1996年に承認されて以来注目されています。
イチゴやリンゴなどの天然物に存在する物質で、化学合成された成分とは違った安心感も人気の秘密です。

エラグ酸の由来

エラグ酸はイチゴなどの多くのベリーや、リンゴ、クルミ、ザクロ、緑茶などに含有されているポリフェノールで、知らず知らずのうちに私たちも口にしている成分です。

このようなフルーツに含まれる成分ですが、ポリフェノールのもつ抗酸化作用から化粧品のみならず、アンチエイジングなどの健康食品業界や、さらには医薬品業界からも期待されている成分で、現にエラグ酸の『抗ウイルス作用』などについても研究がなされてます。
また、本当に研究の段階ですががんに関与するp53遺伝子の破壊を防ぐことも示唆されています。

エラグ酸の効果と働き

化粧品という外面美容のみならず、飲むことでも美白の効果が期待されています。
そして、エラグ酸に期待されているシミの種類は炎症後色素沈着、肝斑、朱雀斑、老人性色素斑など多岐にわたります。

エラグ酸がシミに効果があるメカニズムは、美白有効成分である『コウジ酸』と少し似ています。
シミが作られる過程で働いている酵素、『チロシナーゼ』というたんぱく質には、反応に大切な活性中心に銅イオンを持っていますが、エラグ酸はそれをキャッチして(キレート)、チロシナーゼが働けないように邪魔します。コウジ酸も同様にキレート作用でチロシナーゼを阻害します。

エラグ酸の研究

ある研究では、エラグ酸が90%含まれるザクロの皮から抽出されたエキスの試験管内による実験では、アルブチンに匹敵する程度の美白効果が得られました。
また、内服するとアスコルビン酸と同じくらいの美白効果が報告されました。

この結果から、エラグ酸は、アスコルビン酸やトラネキサム酸の様に飲んでも塗っても効果が期待できる美白成分であると考えらています。よく耳にする『飲む日焼け止め』と言った商品の類にも、エラグ酸が入っていることが多いですね。

また、エラグ酸は、日焼けや痛みなどの炎症反応において放出される『ケミカルメディエーター』というものを減少させる働きも期待されています。シミは、このような炎症後に出るケミカルメディエーターによって引き起こされる部分もあるので、この過剰な放出を防ぐことは美白にはとても大切なことです。トラネキサム酸にもこのような働きがあります。

参照
・宇山侊男ほか.『化粧品成分ガイド 第6版
・鈴木一成ほか.『化粧品成分用語事典2012
・小澤王春.『自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典
・European Commission.Simple Search
・宮地良樹ほか.『美容皮膚科学
・朝田康夫. 『美容の医学 美容皮膚科学辞典
・株式会社メディカルレビュー社.Bella Pelle vol.2 No.1
・光井武夫.『新化粧品学 第2版
・Mineka YOSHIMURAほか.Inhibitory Effect of an Ellagic Acid-Rich Pomegranate Extract on Tyrosinase Activity and Ultraviolet-Induced Pigmentation
・pubchem.Ellagic acid
・Serena Lemboほか.The Modulatory Effect of Ellagic Acid and Rosmarinic Acid on Ultraviolet-B-Induced Cytokine/Chemokine Gene Expression in Skin Keratinocyte (HaCaT) Cells
・横山美保子ほか.色素沈着症に対するエラグ酸配合製剤の有用性評価

最終更新日:

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