twitter Instagram
HOME美容成分一覧ポリフェノール

ポリフェノール

別名 多価フェノール
配合目的 酸化防止剤、皮膚コンディショニング剤、その他
対応するお悩み テカリ、日焼け、ハリ・弾力

ポリフェノールとは

赤ワインやカカオなどに含まれる成分で、エイジングケアやお肌のシワ、ハリの改善、病気の予防など、美容にとどまらず健康面からも大変注目されています。

ポリフェノールの効果・働き

抗酸化作用があり、『シワ』や『たるみ』などの弾力にかかわる分野で注目されています。

『肌の酸化』は具体的にはシワ、ハリや弾力の低下などの、いわゆる老化現象で生じてくる肌トラブルに影響をもたらすことが分かっています。

私たちは日々、紫外線や喫煙、排ガスやストレスなどといった酸化ストレスを多く生じさせる環境にいます。
この酸化ストレスにより活発なフリーラジカルが生じ、お肌の皮膚組織であるコラーゲンの架橋の破壊、エラスチンの変性、グリコサミノグリカンの切断、など、ハリの低下やシワの原因となる反応を引き起こしてる、という説があります。

ポリフェノールの美白作用

ポリフェノールは何千種類もあり、その種類によって働きが異なります。
一部のポリフェノールにはチロシナーゼ活性阻害作用があります。

チロシナーゼとは、肌にシミができるとき、メラノサイトというシミを作る細胞の中で働いている酵素です。
すべてのポリフェノールにチロシナーゼ阻害作用があるわけではなく、また、チロシナーゼを強く邪魔するポリフェノールと少しだけ邪魔をするポリフェノールなどさまざまな種類が存在しています。

下記のようなポリフェノール成分にチロシナーゼ活性阻害作用が認められ、美白効果への応用が期待されています。
・アセロラのシアニジン3ラムのシド、ベラルゴニブニユラムノシド
・ローズマリーやシソのロスマリン酸
・甘草のグラブリジン、リコカルコン
・マルバハギのハギニンA
・クララ(苦参)のクラリジン
・桑のオキシレスベラトロール
・ローズヒップのプロアントシアニジン

ポリフェノールによる紫外線ケア

近年注目されているのが、ポリフェノールの紫外線による有害事象を抑える働きです。

ポリフェノールには紫外線などによって発生する活性酸素が『作られない』ようにする働きと、さらに、できてしまった活性酸素を『除去』する働きがあります。
実際にポリフェノールの塗布や食事からの摂取で紫外線による炎症や酸化、DNA損傷を防ぐ働きが報告されています。

特によく研究されているのが緑茶のカテキン類、ブドウの種に含まれるプロアントシアニン類、ブドウの皮やピーナッツ、赤ワインに含まれるレスベラトロールなどで、紫外線による皮膚の炎症や光老化のみならず、将来的な皮膚がんリスクも軽減するという報告もあります。

外用の日焼け止めに変わるとまではいきませんが、日焼け止めと一緒に意識的にポリフェノールをとることで日焼け止めを塗り忘れた部分の炎症を防いだり、日焼け止めを塗れない目や頭皮などの紫外線予防にも役立ちそうです。

ポリフェノールを含む製品

ポリフェノールのエラグ酸などが含有されたエイジングケア化粧品が話題となっています。

また、ポリフェノールサプリメントは摂取量を守って飲み、出来るだけ果物などの食事からたくさんのポリフェノールをとるようにしましょう。

ポリフェノールを果物やお茶など食事から摂取する分には問題ありませんが、サプリメントでたくさん飲んだからといってその量に比例して効果が表れるかは分かっていません。
ポリフェノールのようなある種の抗酸化作用を持つ成分をたくさん摂取することによって、特定の病気になり易くなってしまったという報告もあります。

ポリフェノールの豆知識

そもそもポリフェノールは大きなカテゴリーの名前で、赤ワインのレスベラトロールやチョコレートのカカオポリフェノールなど何千種類ものポリフェノールが存在します。
基本的にはどれも『抗酸化作用』を持っているのですが、その抗酸化力が成分によって異なります。

病気に関しては『フレンチパラドックス』という、高脂肪食を食べる割にフランス人は心疾患が少ないという矛盾から、研究が盛んになりました。
この矛盾は、フランスの赤ワイン消費が圧倒的に多いという点から赤ワインのポリフェノールとの関連性がフレンチパラドックスの仮説となりました。

このポリフェノールの抗酸化作用が私たちのがんや心血管系イベント、糖尿病やアルツハイマー型認知症、白内障や加齢黄斑変性症などの治療に一役買うのではないか、と期待されています。
今のところはまだ、はっきりとした治療効果は証明されていませんが、日本には『エダラボン』という抗酸化作用を利用した脳梗塞後の治療薬があるのは興味深いことです。

参照
・宇山侊男ほか.『化粧品成分ガイド 第6版
・鈴木一成ほか.『化粧品成分用語事典2012
・小澤王春.『自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典
・European Commission.Simple Search
・田辺三菱製薬株式会社.ラジカット®︎注30mg/ラジカット®︎点滴静注バッグ30mg
・小川文秀.酸化ストレスと皮膚─光老化から全身性強皮症まで
・公益社団法人日本薬理学会.ポリフェノール

最終更新日:

関連するお悩み・症状

Categories

カテゴリー
ページ上部へ戻る