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DMAE

別名 ジメチルアミノエタノール、デアノール
配合目的 保湿剤
対応するお悩み 乾燥、ハリ・弾力

DMAEとは

DMAEはジメチルアミノエタノールの略称で、別名デアノールとも言います。

DMAEはイワシやアンチョビ、サケなどに含まれます。私たちの体の中にもある重要な物質です。
海外ではDMAEを肌に塗るだけではなく飲むサプリメントとして、脳のアンチエイジングや仕事効率化などに用いているようです。
しかし、神経伝達物質という神経に働く物質の材料にもなる成分ですので、興味のある方は医療従事者からのアドバイスを受けた方がいいでしょう。

DMAEの効果と働き

主に海外の製品に、お肌のたるみやハリを改善するアンチエイジングを目的とした化粧品に主成分として含まれています。しばしば『firming』という書かれ方をしています。
firmingは、ギュッと引き締める、ハリを持たせる、といった意味です。

なぜDMAEがアンチエイジングに効果的なのか、まだ詳しい働き方はまだわかっていませんが、ジョンソン&ジョンソンの研究では、DMAEを3%の濃さで16週間(約4か月)毎日塗ることでシワに効果があったという報告もあります。

DMAEの塗布によって得られるお肌への効果は、肌をふっくらさせる(真皮と言う肌の少し奥にある組織の肥厚)、コラーゲン線維の肥厚、角質水分量の増加などが確認されています。

肌は加齢とともに真皮層が薄くなり、コラーゲン線維、角質水分量も落ちてハリを失い全体的にたるみ、小じわができるようになります。
その部分にDMAEがアプローチし、お肌を全体的に引き締め、ハリを持たせる可能性があります。

研究と報告

ジョンソン&ジョンソンの研究では3%の濃さを16週間毎日塗布し続けたところ、額、唇、下まぶた、首のしわの改善が見られ、また、使用を2週間やめてみてもその効果が持続したということでした。

しかし、反対に、DMAEは濃度依存的に線維芽細胞のアポトーシスを誘導する報告もあります。これは、DMAEが濃すぎてしまうと、肌のコラーゲンやヒアルロン酸などを作るのに大切な細胞である線維芽細胞が早く死んでしまう、ということです。もしDMAEを使用するならばメーカー推奨の濃度は逸脱しないように使用回数を守った方が無難かもしれません。

DMAEと神経伝達物質

また、DMAEはアセチルコリンという神経伝達物質の材料となっています(前駆体)。
このアセチルコリンには筋肉の伸び縮み調整する働きがあります。
私たちのお肌の奥にある筋肉は、年齢と共に弾力を失ったゴムのように伸びてたるんできてしまい、その結果、お肌のたるみの原因にもなります。
この伸びてしまったゴムのような筋肉に、張りを持たせるのがDMAE由来のアセチルコリンなのでは?という考えもあります。

他には、DMEAがアセチルコリンとなって肌に働くのではなく、DMAEそのものがお肌の細胞に小さな風船の様な空胞ができることで肌に張りやぴんとした硬さをもたらしている、とも考えられています。

アセチルコリンとしわに関する豆知識

ところで有名なしわ取り注射のボトックスもまた、アセチルコリンと関係する働き方でしわにアプローチします。
ボトックスの場合は口角や眉間、目尻などに部分的に使用して、アセチルコリンの働きをDMAEとは反対にブロックして筋肉の収縮をとめ、しわができないように働きます。
DMAEは、そのような部分的なシワではなく、お顔全体にある緩んだ筋肉に働き手全体的に引き締めるのではないか、と考えられています。

参照
・宇山侊男ほか.『化粧品成分ガイド 第6版
・鈴木一成ほか.『化粧品成分用語事典2012
・小澤王春.『自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典
・European Commission.Simple Search
・SKIN BEAUTIFUL DERMACEUTICALS.The Science Behind Topical DMAE Amine
・Morissette Gほか.The antiwrinkle effect of topical concentrated 2-dimethylaminoethanol involves a vacuolar cytopathology.
・Grossman R.The role of dimethylaminoethanol in cosmetic dermatology.

最終更新日:

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