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乾燥肌対策におすすめの保湿成分!原因と正しいスキンケア方法も

カサカサとして肌がつっぱる、乾燥肌問題。スキンケアはどうすればいいのか、何もつけないほうがいいのか、悩ましいところですよね。

今回は、冬に限らず多くの女性を悩ませる、乾燥肌について解説をしていきます。

症状と原因、そして対策について、詳しく見ていきましょう。

監修者
薬剤師・二宮
薬剤師・二宮
薬剤師、漢方薬生薬認定薬剤師、漢方アドバイザーの資格を活かし、調剤薬局や漢方薬局での勤務経験から、医薬品や漢方薬を詳しくわかりやすく解説。現在は化粧品成分検定1級・化粧品成分上級スペシャリストとしても活動し、薬用化粧品の成分を中心に解説を行う。美容や健康に役立つ商品を成分からアドバイスすることが得意。

乾燥肌とはどういう状態?

乾燥肌 とは

乾燥肌とは、ひとことで説明すると「水分や皮脂が不足した肌状態」のこと。ドライスキンとも呼ばれています。

手で顔に触れた時に、カサカサとしていてかゆみを感じたり、うるおいが感じられないことはありませんか?

入浴後や洗顔後などに、肌がつっぱるように感じる人も乾燥肌だと考えられます。

乾燥肌がひどくなると湿疹が出て、かゆみで全身をかきむしるほど肌が荒れる人も……。

また、乾燥が進んで肌の皮がめくれたり、肌が粉をふく状態になると見た目も良くありません。

こうした症状を隠そうとしてファンデーションを塗り重ねると、摩擦の刺激で肌荒れが進むなど悪循環にも陥ってしまいます。

□■乾燥しやすい部分■□

顔では頬や目元、口元などが乾燥肌になりやすい部分です。

また顔だけでなく体の脛(すね)や肘、膝なども、乾燥肌になりやすいので注意が必要です。

乾燥肌になる原因とは?

乾燥肌のカギを握るのは肌の1番外側にある「角層」という部分です。

乾燥肌の原因

□■角層の特徴■□

・食品用ラップのようなイメージで厚さ約0.02mm
・肌の内部にうるおいを閉じ込めるバリア機能をもつ
・ダメージを受けやすい

ラップのように薄い角層がダメージを受けると、バリア機能が低下して乾燥肌を引き起こしてしまいます。

また、皮脂の減少も乾燥肌の原因の一つ。

肌の皮脂量は、年齢とともに徐々に減少してしまいます。

平均して20歳前後を境に皮脂の分泌量が減るため、子供の頃よりも肌のかゆみや乾燥を感じやすくなるのです。

季節・環境が乾燥や肌荒れの原因に

乾燥肌の原因は季節にも関係あります。

春夏秋冬に分けて、肌や体への影響を解説しましょう。

春 乾燥肌

□■春:花粉や紫外線■□

気温が上昇して水分が蒸発し、肌が乾燥しやすくなります。

また、花粉や大気汚染の肌への付着、紫外線の外部刺激により、肌のバリア機能が低下しやすくなる季節です。

冬場に乾燥肌になってしまった人が、春になっても肌のうるおいが不足した状態が続いてしまうことも。

保湿・UV対策を徹底しましょう。

夏 乾燥肌

□■夏:大量の汗や冷房■□

夏は、汗が肌に存在するうるおい成分を流してしまい、肌表面の水分が取り除かれ、乾燥を悪化させてしまいます。

また、夏に選びがちなさっぱりとしたスキンケアは、油分が少なくて肌が乾燥しやすいものもあります。

エアコンも肌の乾燥の原因となります。

冷房が効きすぎていると肌の水分だけでなく体の体温まで奪われ、血行不良が生じ、肌の乾燥がさらに進んでしまうことも。

秋 乾燥肌

□■秋:気温の変化■□

夏から秋にかけて急に寒くなることで血液循環が悪くなり、うるおいを保つための皮脂分泌が低下してしまいます。

皮脂は肌表面で膜となり、うるおいを閉じ込める役割があります。皮脂が不足してしまうと、水分が蒸発してしまい、乾燥肌の症状が加速する原因になります。

また夏に浴びた大量の紫外線の影響が、秋になって肌に現れることもあります。

冬 乾燥肌

□■冬:寒さ・風の冷たさや暖房による乾燥■□

冬になると、ますます気温が下がり、湿度も低くなるため空気が乾燥していきます。

また暖房をつけた室内も、空気が乾燥しているため顔全体の水分が奪われてしまいます。

ウィンタースポーツが好きな人も、乾燥肌に気をつけましょう。

スキー場は雪による紫外線の照り返しが強く、想像以上に肌がUVダメージを受けてしまいます。

日焼け、シミ、そばかすはもちろん、紫外線は乾燥肌の原因にもなります。

乾燥肌の改善にはどうすればいい?対策とスキンケア方法

乾燥肌 スキンケア 方法

ここからは、乾燥肌を防ぐ正しいスキンケアの方法を紹介します。

化粧水や保湿クリームは使い方次第で、効果にも差が出てしまうことをご存知でしょうか?

せっかく使うのなら、最大限に効果を引き出すスキンケア方法を実践したいですよね。

今回は乾燥肌に効果的な、3つのケア方法を紹介します。

□■乾燥肌のスキンケアポイント■□

1.洗顔直後の保湿
2.先につけたものが馴染んでから次のスキンケアを
3.手に余った保湿剤はボディに使う

①洗顔後すぐに保湿化粧品をつける

乾燥肌対策として重要なことは、洗顔直後に保湿することです。

洗顔をすると肌の汚れを洗い流すことができますが、同時に肌のうるおい成分である天然保湿因子(NMF)、セラミドなども洗い流されてしまいます。

そのため洗顔後5分以内を目標に、保湿をするようにしましょう。

②先につけた保湿剤が肌全体に馴染んでから次の保湿剤をつける

複数のアイテムを重ね付けすると保湿効果が高まりますが、先につけたアイテムがしっかり肌に馴染んでから重ねることがポイントです。

例えば化粧水がまだ肌に馴染んでいないのに、保湿クリームを重ねてしまうと化粧水がクリームを弾いてしまい、浸透しにくくなってしまうのです。

肌の保湿は慌てず丁寧に行いましょう。

手のひらで肌に押し込むようになじませる「ハンドプレス」は、成分の浸透も高まるので乾燥肌対策におすすめです。

③手に余った保湿化粧品は首や手の甲につける

乾燥肌は顔だけではありません。実は外気にさらされやすい手の甲や首筋なども、乾燥しやすい場所です。

なかなかボディケアを習慣化できない人は、肌のスキンケアの時に手に余った化粧品を手の甲や首筋に伸ばすだけでもOK!

クリームで身体をマッサージするようになじませると良いですよ。

乾燥肌対策におすすめの保湿成分

乾燥肌 成分 おすすめ

乾燥肌対策におすすめの、3つの保湿成分について解説します。

これらの成分は、もともと肌に存在しているうるおい成分に着目して研究されたものです。

肌に存在する注目保湿成分

1.肌のバリア機能を保つセラミド
2.水分を抱え込むアミノ酸
3.角質層のうるおいに蓋する皮脂成分・スクワレンなど

この3つの成分が肌のうるおい・バリア機能をサポートしています。

乾燥肌に最適なスキンケアを選ぶ際は、この3つに注目しましょう。

特にセラミドは近年、保湿作用からスキンケアで注目されている成分です。

 

□■セラミドについて詳しく■□

セラミドは肌のうるおいを保つだけではなく、肌のうるおいを守るバリア機能の主役として働く成分です。

健康的な肌の角質層では、セラミドが角層細胞の隙間を満たし、細胞や水分をつなぎとめています。

セラミドがきれいに規則正しく並ぶ「ラメラ構造」を取ることで、水分の蒸発を防いだり、刺激物質の侵入を防いだりするバリア機能を発揮するのです。

かゆみがでやすいアトピー症状や敏感肌の人は、セラミドが規則正しく並んでいないため、バリアとしての働きが崩れ、刺激に弱くなっているといわれています。

セラミド配合のスキンケアを使用することで、角層中のセラミドを補い肌のバリア機能を高める効果が期待できます。

 

□■アミノ酸について詳しく■□

天然保湿因子の40%はアミノ酸で構成されており、敏感肌や乾燥肌、かゆみや湿疹がでやすいアトピー症状がある人は、角質層のアミノ酸量が減少していることもわかっています。

天然保湿因子にはアミノ酸の中でも、セリンやグリシンが多く含まれています。またアミノ酸の一種であるグルタミン酸が変化したピロリドンカルボン酸も多く含まれています。

乾燥肌の人には、これらのアミノ酸が配合されたスキンケアがおすすめです。

アミノ酸を含む天然保湿因子には水分を抱え込む働きがあるため、アミノ酸配合のスキンケアを使うことで、うるおいを長時間肌にとどめる効果が期待できます。

□■化粧品の中で見かけることの多いアミノ酸■□

グルタミン酸、アラニン、グリシン、セリン、バリン、リシン、ロイシンなど

皮脂成分スクワレン・シアバターなど詳しく

老化によって減少してしまう肌の皮脂を補うためには、皮脂に近い構成の油分「スクワラン」「シアバター」「馬油」などがおすすめです。

皮脂に含まれるスクワレンという成分を還元したものがスクワランです。

構造が似ているため肌なじみが良く、べたつきが少ないことも特徴です。

スクワランは動物性のものだけではなく植物性のものもあります。

またシアバターに含まれるオレイン酸やステアリン酸は、皮脂によく似た成分です。保湿効果が高く、ひどい乾燥やかゆみ、肌荒れに悩む人にもおすすめの成分です。

馬油も皮脂に組成が近いオイルです。

馬油に含まれる複数の脂肪酸のバランスが皮脂の脂肪酸バランスと似ていることから、肌の皮脂を補う役割があるとして注目されています。

□■ライスパワーNo.11にも注目■□

ライスパワーNo.11は上記で紹介した肌に存在する成分ではありませんが、乾燥肌の肌質改善効果が期待できる超希少なうるおい成分です!

肌のハリ・弾力をキープするのに欠かせないセラミド(皮膚内に存在する組織)を肌の内側から増大させ、肌が水分をキープする保水力を改善する効果承認されています。

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乾燥肌の人が注意すべき成分

乾燥肌の人は、刺激になりやすい成分や、皮脂の分泌を抑えてしまう成分、ピーリング成分などは避けた方が良いでしょう。

□■乾燥肌・敏感肌が注意すべき成分■□

1.アルコール系
2.レチノールなどのビタミンA系
3.ピーリング成分・サリチル酸やAHA

これらの成分が配合されているスキンケアアイテムで肌にかゆみなどの刺激・乾燥を感じた場合は、配合されてないアイテムに変更しましょう。

アルコール系(エタノール)

化粧品に配合されている成分で、肌への安全性も確認されています。

清涼感を与える効果や、美容成分を配合しやすくする働きがありますが、乾燥肌や敏感肌の人にはかゆみなどの刺激を感じてしまうことも。

肌に刺激を感じたら、アルコールフリータイプを選びましょう。

レチノールなどのビタミンA系成分

シワに効果を発揮することで注目されている成分ですが、皮脂分泌を抑制してしまう働きがあるため、肌の乾燥を引き起こしてしまうことも…。

レチノールだけではなく、パルミチン酸レチノール(ビタミンA誘導体)にも同様の効果があります。

サリチル酸やAHA

ピーリング効果のある商品に配合されている成分ですが、乾燥肌の人は角質層のバリア機能が十分でないため、ピーリングによって角質層を取り除いてしまうと肌の乾燥が進んでしまうこともあります。

乾燥肌でもピーリングを行ないたい場合はクリニックなどで相談をしながらピーリングを行い、しっかりと保湿アイテムでアフターケアを行うことを心がけましょう。

乾燥肌対策 Q&A

乾燥肌に悩んでいる人が、知っておきたい内容をQ&A形式で紹介します。

乾燥肌は改善はしても治すことはできないんですか?

スキンケアで乾燥肌が根本的に改善するかどうかは、乾燥肌の種類や原因によっても異なります。

スキンケアが原因で後天的に乾燥肌となってしまった人は、正しい保湿をすることで改善も可能です。

逆に、肌の修復機能が生まれつき弱い方など、先天性の乾燥肌はスキンケアだけでは根本的な改善は難しいかもしれません。

スキンケアだけでなく食べ物や薬による治療も必要になる可能性がありますので、皮膚科で相談することをおすすめします。

オールインワンジェル

オールインワンジェルのみのお手入れで対策ができますか?

一般的にはオールインワンではなく複数のアイテムを重ねる方が保湿効果が高いとされていますが、水溶性、油溶性の保湿成分がバランスよく含まれている製品なら大丈夫でしょう。

オールインワンクリーム・ジェルを選ぶ際は、「細胞間脂質(セラミド)」「天然保湿因子(アミノ酸)」「皮脂(スクワランなど)」を補える成分が配合されているかをチェックしましょう。

オールインワンゲルだけでは成分が不足している場合、他のアイテムと組み合わせたり、サプリメントを使用したりするなど工夫してみるのも◎

乾燥肌なのにニキビができやすいんですがどうしてですか?

乾燥肌はニキビができにくいイメージがあるかもしれませんが、洗顔やクレンジングのしすぎで、肌の乾燥とニキビが同時に生じることがあります。

また、洗顔やクレンジングによって失われた皮脂を補おうと過剰な皮脂が分泌されて、またニキビができてしまうという悪循環にもなってしまいます。

洗顔やクレンジングはこすりすぎず、洗顔後にしっかりと保湿をすることが大切です。

保湿 スキンケア コスメ

1回のお手入れに何種類スキンケア商品を使うのが良いんですか?

スキンケアの種類やテクスチャーは、お好みに合わせて大丈夫です。

ただし化粧水やクリームには、それぞれ「細胞間脂質」「天然保湿因子」「皮脂」を補うものがバランスよく配合されているかはチェックしましょう。

乾燥対策にスキンケアを重ねまくってます…過剰保湿ってよくないですか?

さまざまな保湿アイテムの重ねづけは、適切な使用方法であれば問題ありませんよ。水溶性保湿剤を先に、油溶性保湿剤を後につけるのが効果的です。

化粧水などのみずみずしいものを先につけて、乳液やクリームなどコクのあるもので肌の表面にフタをするイメージです。

サプリメントで改善できますか?

飲んですぐに肌がしっとりするわけではありませんが、肌質を改善するという意味では効果的でしょう。

セラミドやヒアルロン酸が配合されたサプリメントがおすすめです。

また、食べ物の栄養バランスを考えて食生活を改善するのも大切です。

正しいスキンケアで赤ちゃんのような潤い肌を目指そう

保湿 スキンケア

乾燥肌対策のスキンケアについて、正しいスキンケア方法や効果的な保湿成分を紹介しました。

乾燥肌が気になる人は、肌のバリア機能を高めるスキンケアが重要です。

「細胞間脂質」「天然保湿因子」「皮脂」の3つの働きに着目し、ぜひ自分の肌に合うスキンケア商品を見つけて、適切な乾燥肌対策をしましょう。

文/ナオ

参考
・くすりと健康の情報局.乾燥肌の原因
・カルテクリニティ.春になると、一時的に「敏感肌」になるのはなぜ?
・NOV.敏感肌・乾燥肌の保湿の基本
・HOURIN.馬油とは
・Cosmetic Medecian.レチノイドの作用機序

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