【皮膚科医監修】フィラグリンでアトピー肌が改善される?
- 乾燥
- ざらつき
- ゆらぎ肌
- ニキビ
別名 | 1,7-ヘプタンジカルボン酸 |
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配合目的 | ph調整剤、マスキング剤、香料・香味料等 |
対応するお悩み | ざらつき、ニキビ |
アゼライン酸は美容皮膚科でニキビ治療のためのゲルとして使われるほか、市販の化粧水などに含まれている成分です。
日本では医薬品成分ではありません。
アゼライン酸は小麦や大麦、ライ麦などの穀物や、健康な肌にも存在する酵母、マラセチアフルフルに存在する天然の化合物で、アメリカやドイツ、フランスやイギリスなど多くの国で外用の処方箋医薬品として販売されています。
ニキビに関する治療報告は1989年頃がら海外の論文で発表されており比較的歴史のある薬と言えます。
アゼライン酸はその抗菌作用から、軽度から中等度のニキビの治療に用いられています。また国によって適応が異なるのですが、『酒さ』という慢性的な頬や鼻の赤み、赤ら顔にも使用されていることもあります。
妊婦さんのニキビにも必要性がある場合には使用ができる、とあるのも特徴です。ニキビ治療の外用薬には妊婦さんには使用できないものもあるので、アゼライン酸は妊娠中のニキビによるストレスの緩和に注目されています。
現在日本では、医薬品としては認められておらず、化粧品などに含有されていることがあり、美容皮膚科や通信販売などで美容液や洗顔料に含有されています。あまりドラッグストアなどでは見かけにくい成分と言えます。
諸外国の製品はジェル状で、15~20%の濃度に調整されており、1日に2回塗布するように指示されています。
副作用としては使い初めに灼熱感や刺すような刺激、痒みを感じるとあります。
また、元来肌の色が濃い人では、低色素斑を注意喚起しています。
美容皮膚科ではアゼライン酸をニキビ、酒さの治療の他に、そのピーリング効果から肌のブライトニングや美白の補助として用いています。
ピーリング効果と言ってもそこまで強いピーリングではないため、日本皮膚科学会のガイドラインでも明記はされておらず、また、自宅で手軽に使用できる美容液が販売されている点から見ても、比較的ピーリングや美白初心者が使いやすいものにもなっているようです。
現在、日本ではニキビ治療に過酸化ベンゾイルやアダパレンと言った軽いピーリング作用のある医薬品が主流となっていますが、たとえばイギリスのガイドラインを参照しますと、それらが無効であったニキビにこのアゼライン酸を考慮する、とありますので、日本のニキビ治療では代替案が一つ少ないことが伺えます。
日本では化粧品に含まれますので、ニキビが気になる方はこの成分が含有された商品を使用するのもいいでしょう。
参照
・宇山侊男ほか.『化粧品成分ガイド 第6版』
・鈴木一成ほか.『化粧品成分用語事典2012』
・小澤王春.『自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典』
・European Commission.Simple Search
・古川 福実ほか.ケミカルピーリングガイドライン
・NHS Lambeth Clinical Commissioning Group.Dermatology Guidelines for Primary Care FINAL January 2020